鐘をならすミサイル男
あるとき、遠い未来の町に、ミサイル男という特殊なおじさんが住んでいました。

身体はロボットのようになっていて、村人が危険なときはミサイルが打てるような体になっていました。

そして、彼の仕事は、町の人々に大切なお知らせをするために、大きな鐘を鳴らすことでした。

ミサイル男はその町でとても人気があり、みんなに愛されていました。

彼はいつも笑顔で、子供たちと一緒に遊んで過ごしていました。
しかし、ある日、町に大きな危機が迫りました。

空から突然、大量の隕石が降ってきて、町が大変なことになってしまいました。
町の人々はパニックになり、どうすればいいのかわからなくなってしまいました。

ミサイル男は、町の人々を救う方法を考えました。
彼は自分の中にあるミサイルを使って隕石を破壊しようと決心しましたが、そのためには自分の命をかけなければならないことを知っていました。

ミサイル男は勇気を振り絞り、町の人々に告げました。
「みんな、安心してください。僕がこの隕石を破壊して、町を救います。だから、皆さんは避難所に避難してください」
と。

町の人々は、ミサイル男に感謝の気持ちを伝え、涙を流しながら避難しました。



ミサイル男は、空に向かって自分のミサイルを発射し、次々と隕石を破壊しました。最後の一つが破壊されると、ミサイル男は力尽きて地上に落ちました。
その時、大きな鐘が鳴り響きました。

なんとミサイル男が最後の力を振り絞り、村人のために鐘を鳴らし続けていたのです。
「大切なお知らせです。隕石はすべて破壊しました。みなさんの安全は守られました。」
死ぬ最後の瞬間まで、人々のために鐘をならし続けました。


町の人々は、ミサイル男が命をかけて鐘を鳴らし続けてくれたことに感謝し、彼を永遠に忘れませんでした。
ミサイル男の物語を語り継いでいくことを誓いました。

その後、町の人々はミサイル男を称えるために、彼の像を建て、映画をつくりました。そして、世代を超えてこの町に伝わり、愛され続けました。
子供たちはその物語から勇気、友情、愛情を学び、ミサイル男のように心優しい人間になろうと努力しました。


時が経ち、町が復興し、かつての活気を取り戻すと、新たなミサイル男たちが誕生しました。

彼らは先代ミサイル男の犠牲を忘れず、自分の命を大切にしながら、町の平和を守ることを誓いました。
おわり
作品のメッセージ
- ミサイル男は危機的な状況の中、自分の命をかけて、人々の命を救いました。人は辛いときや大変な時にその人の本質が現れると言われています。本当に大変な時、なかなかミサイル男のように命をかけることはできないと思いますが、大変な時こそ、一度広い視野に立ち返って周りをみてみることは大切だと思います。
- ミサイルという恐ろしい兵器も、多くの人々を救う切り札になり得るとこの物語では教えてくれています。兵器は恐ろしいだけではないことを知ることも大切なのではないでしょうか。
- 誰かのために頑張っていれば、必ず誰かがその姿をみてくれていると思います。そういう人は必ず、多くの人に必要とされ、愛され、その意志は継承されていく事だと思います。