二匹の猫を従えるカエル
ある町にカエルが住んでいました。
カエルは、生まれた時から二匹の従順な猫が側にいました。カエルは二匹の猫に育てられ、何不自由なく生きていました。
さらに、その猫たちの力はとても強く、他の動物たちに恐れられていました。



カエルは、猫たちを引き連れていることに大きな優越感を抱き、どんどん傲慢になっていきました。

また、カエルは食べるのが大好きでした。二匹の猫に毎日のように沢山のご馳走を用意するように指示を出していました。
「お腹ペコペコだ!早くご馳走を用意するのだ!」
二匹の猫はどんな横柄な指示にもカエルに笑顔で従っていました。
ご馳走を目の前にカエルは、
「もう我慢できない!いただきます。」
ばくばく食べて、カエルはどんどん太っていきました。
ある日、カエルは1歳の誕生日を迎えました。二匹の猫も大切な記念日だと喜び、いつも以上にたくさんのごちそうを用意してカエルをもてなしました。
パーティの最後に、二匹の猫はサプライズを用意しているとカエルに伝えました。カエルはどんなサプライズを用意しているのか楽しみにしていました。

二匹の猫は笑顔で、
「なぜ僕たちがあなたさまにずっと付き従っていたかわかりますか?」
とカエルに言いました。
カエルは戸惑いながら、
「わらならい、なぜだ?」
と答えを待ちました。
猫たちは今までで最高の笑顔で言いました。
「あなたさまは1年前生まれた瞬間からとても美味しそうにされていました。」
「でも1年前はまだまだ小さかったものですから、ずっと我慢してきたのです。」

カエルはギョッとしました。なんと二匹の猫はカエルに付き従っていたのではなく、カエルを食べるために太らせ、付きまとっていただけなのです。

「1年間本当に長かったです。もう我慢出来ない。それでは僕たちもいただきます。」
二匹の猫はそう言い放ち、カエルはペロリとたべられてしまいました。
大満足の二匹の猫がその場で寝っ転がっていると、そこに大きな熊がやってきました。

二匹の猫は、大きな熊と友達でした。
「やあ、熊さん。1年前カエルくんが生まれた時おしえてくれてありがとう。とてもおいしかったです。」
驚くべきことに、大きな熊が二匹の猫にカエルの事をおしえていたのでした。
すると大きな熊は満面の笑顔で言いました。
「とんでもありません。猫さんたちに喜んでもらえてよかったです。」
そして、続けて話しました。
「ところで、なぜ私がおいしそうなカエルがいることを猫さんたちに教えたか、わかりますか?」
二匹の猫は戸惑いながら、
「わらならい、なぜ?」
と答えを待ちました。
大きな熊は今までで最高の笑顔で言いました。
「君たちは1年前出会った瞬間からとても美味しそうでした。」
「でも1年前はまだまだ小さかったものだから、ずっと我慢してきたのです。」

二匹の猫はギョッとしました。
なんと、なんと、大きな熊は二匹の猫に喜んでもらうためではなく、二匹の猫を食べるために太らせようとしていただけなのです。

「1年間本当に長かったです。もう我慢出来ない。それでは私もいただきます。」
大きな熊はそう言い放ち、二匹の猫はペロリとたべられてしまいました。そして、町ではもうカエルと二匹の猫の姿を見ることはありませんでした。
おわり